1.良い基本動作とは
基本動作とは日常的に行っている動作全般の事をいいます。すなわち、立つこと、座ること、寝ること、歩くこと…
様々な場面で実施されているこれらの動作ですが、知らず知らずのうちに自分なりのクセが生じてしまっています。そして、そのクセは筋肉のバランスを崩して、やがては身体のゆがみを生じさせます。それが痛みにつながっていくのです。
どのようにしていけばよいのか、各動作ごとに確認していきましょう。
2.寝ている姿勢
腰痛の方の多くは仰向けで寝ると痛むので、横向きに寝る方が多いと思います。もちろん安楽な姿勢で寝るのが良いのですが、一晩中同じ姿勢だけでいるのも当然、負担がかかります。(特に下側になっている方)
可能であれば、横向きだけなく、仰向けで寝られるようにしていくのも大切です。
なぜ仰向けで寝ると腰が痛くなるのか、それは股関節の前を通っている筋肉(腸腰筋)の硬さが原因になっている事が多いです。この筋肉に引っ張られることによって骨盤は前に傾き、背骨の前カーブが強くなります。すると腰が浮いた状態になり、背中とお尻で身体を支える事となり、結果としてその間にある腰部が伸ばされる事によって痛みが生じます。
なので解決策としては膝裏に枕を置いてあげ、膝を曲げた状態にしてあげます。すると腸腰筋はゆるみますので、骨盤が前に傾かなくなり、痛みも生じない状態になります。
また寝返りの時に痛みが出る場合は根本の原因が首や肩甲骨の周りにある事が多く、起き上がりの時に痛みが出る場合は背中やお尻に原因がある事が多いので、ぜひご相談ください。根本的な治療・メンテナンスを提供します。
3.座っている姿勢
長時間のデスクワークで気が付いたら猫背になってしまう人多いと思います。そうなると背中は丸くなり、また頭や肩は前方に出て、そして肩甲骨は常に引っ張られる状態(肋骨に張り付いた状態)になります。これも痛みの原因です。
これは浅く座っている事が原因なのです。
ポイントは骨盤が後方に倒れないようにし、骨盤を立てた真上に上半身がしっかりと位置する事です。そのためには座る際に腰を深く入れて座る。そして背中と背もたれの間の隙間にはクッションやタオルを入れてあげてください。
4.立っている姿勢
立っている姿勢は、前号でもお伝えしたように身体の各部分が一直線上に位置しているのが良い姿勢です。しかし、猫背や反り腰など崩れてしまっている方も多いです。
大切なのは座っている姿勢と同様に、骨盤をしっかり立たせた状態の上に上半身が乗ること。猫背の場合は骨盤が後ろに倒れている事が多く、また反り腰の場合は骨盤が前に倒れている事が多いです。
修正する方法としては両足のつま先を60度ほどに開き、斜め上を見ながら、伸びあがる様につま先立ちをしてください。骨盤がしっかり立っている状態ならそこでピタっと止まりますので、その状態で踵をゆっくり下ろし(足全体に体重がかかるように)、顔を前に向けます。
今度は、その状態で身体を左右にひねってみます。どちらか行きにくい方がある場合は、骨盤のゆがみが考えられます。
仙腸関節の動きの不良、腹部の筋肉の硬さ、反対側のお尻や肩甲骨の動きが硬い場合が考えられるので、その部位のストレッチをしていきます。改善しない場合は、ぜひご相談ください。
この状態から前かがみをする時にはお尻を後ろに突き出しながら、また後ろに反らせる時はおなかを前に出しながら動くと腰椎が動きすぎて痛みが出ることを防げます。
5.歩く姿勢
歩き方が悪いと見た目も悪く腰痛の原因にもなってしまいます。上記で確認した正しい立ち姿勢を基本にした正しい歩き姿勢を知りましょう。大切なのは骨盤がまっすぐ立ったままの状態で歩くのが理想です。つまり頭を前に出さず、つま先を内側に向けないことです。そのためには仙骨を押さえて歩きます。腰が前から引っ張られるようなイメージを持つこと、この感覚を覚えたら、手を離しても大丈夫です。
今回は痛みが戻らないための基本動作、およびその修正方法を挙げてみました。 この基本動作は一日の中でも数えきれないほど実施するもので、そして無意識で行われるため、クセの修正がとても大切になります。今回、挙げたポイントを確認して、まずは身体でしっかり覚えていってください。そうすれば、今度はそれが自然と無意識にできるようになります。